生徒や保護者の方にお話しを伺うと、本当に「塾のセールス電話」が多くて頭にくると言ってました。
「電話セールス」をしてくるということは、「電話セールス専門のスタッフ」がいるということです。
当然のことながら、そのセールス担当にお給料が支払われるわけです。
では、どこからそのお給料が払われるか?
はい! その通りです。みなさんが払う月謝からです。
以前勤めた塾では毎日生徒募集させられました
朝6時過ぎに塾に集まって、中学校や小学校の校門の前でチラシを配るんです。通称「校門配布」というんですけどね。
校門配布は「学校の先生」や「生徒達」からものすごく嫌がられるんですよ。
ただ「上司の命令」でしたから、仕方なくやってましたけど。何度か警察に通報されたこともありました。
だからKOSHIN学院は絶対に校門配布はしません!
私自身大っ嫌いなんですよ。そもそも校門配布なんて嫌われるの覚悟の「ゲリラ戦法」ですから。
校門配布が終わると、手分けをしてポスティングです。毎日何百枚もポスティングするように「上から指令」がくるんです。
はっきり言っちゃおうかな~!
あのね、我々ちゃんと授業やってんのよ!何時間もヒッシコイテ授業してるの!
なのに早朝から校門配布。そしてポスティングですよ。さらに授業終了後もポスティングに行かされるの。
しかも残業手当一切なし!
にもかかわらず、生徒が集まらないと、ものすごいイジメを受けるんです。
そんな生活を何年も続けているうちに、いわゆる「ウツ」の状態に追い込まれました。
いじめを受け続けていると、上司に反論する気力もなくなってくるの。
※それが敵の手段だったのでしょう。
そんな状態ですからミスも連発してしまいました。ある事件をきっかけに命辛々その塾から逃げてきました。
そんなわけで、「二度と塾の先生なんかやらない」と誓ったのでした。
でもね!
私をそんな風にいじめ抜いた塾は、私が逃げたあと2年ももたずに倒産しました。
その程度の会社(塾)が、生徒に対して「良い指導」なんかできるわけありません。
当時の同僚は「一部の幹部」を除いて、みんな疲弊していましたから。
もっとも経営者だけは外車だの高級車だの乗り回してましたけどね。
確かに塾って生徒が来てくれないと成り立たないけど
私は独立開業するときに「腹をくくった」のでした。これからは安定した収入もないし、何が起こっても自分の責任だし。
今だから正直に言うけど、「もう潰れるかな?」と思ったことも何度かありました。
たとえば、あの「東日本大震災」(3.11)の時です。計画停電で電気も来ないし。塾の前の信号機も停電したままでした。
電気がこないと、教室の中も暗くて勉強できる状態ではありません。
「信号」が点灯しないので、危なくて生徒を塾に呼ぶこともできませんでした。
しかーし!
KOSHIN学院は潰れませんでした! 停電の合間を縫って授業を続けていたのですが、保護者の方はすごく感謝してくださいました。
指導時間は不規則になりましたが、「こんな状況でも子どもの面倒みていただいてありがとうございます。」という保護者の方が口々におっしゃってくださいました。
あの時も「これまで一生懸命頑張ってきて良かった!」と思いました。
保護者の皆様や、卒業生の保護者の方もいろいろ協力してくださいました。
そんな時でも「セールスの電話」をしてくるバカがいましたけどね。
従業員をこき使うことばかり考えている塾にろくな塾なし!
私はスタッフのみなさんも、生徒の皆さんも「厳しく叱る」ことはあります。
しかーし!
必ず本人に納得してもらって、次へのステップになるようにしか叱りません。
ただ電話セールスなんかさせてる塾では、「とにかくお金を集めろ!」という発想しかありません。
お金を稼ぐことは決して悪いことではありませんが、順序が違うのです。
一生懸命「良い授業」「良い指導」をして、その対価としてお月謝をいただくのです。
できれば、保護者の方が感謝しながら月謝を払ってくださる状況が理想です。
私は毎月アルバイトの子達にお給料を払うとき、少し多めにお金をいれておいてあげることにしています。
※数百円なんですけどね。端数は全て「切り上げ」にしています。
ほんの少しですが、私が「気持ち程度」お給料を増やしてあげると、バイトの子達も私にいろいろ協力してくれます。
結果として、それが生徒のためになっています。
- 自分がしてもらって嬉しかったことは、生徒にしてあげる。
- 自分がされてイヤだったことは、生徒にはしない!
私がバイトの子達に求めているのはそれだけです。するとみんなそれぞれ一生懸命工夫して、生徒の勉強のお手伝いをしてくれます。
そういう環境を作っている塾に通っている生徒は幸せだと思います。
※私が素晴らしいのではなくて、スタッフや生徒が素晴らしいんです。
「それは理想論だよ!」という声が聞こえてくるような気がしますが、私はそれで23年間KOSHIN学院を続けてきました。
もしこのブログを読んでくださった方が、塾をお探しでしたら、そういう気持ちのある塾を選んで欲しいと思います。
探すと、そういう志のある塾はたくさんありますから。
それでは今日はこの辺で。また明日!