プロ野球に名打撃コーチと言われた「山内一弘」(故人)さんという方がいらっしゃいました。
山内さんは「落合・原・イチロー」など名だたる選手を指導したコーチなのですが、彼はコーチ時代別名「教え魔」と呼ばれていました。
私は若い頃、この「教え魔」という言葉がとても気に入りまして、私も「教え魔」と呼ばれる先生になりたいと思ったことがありました。
しかーし!
どんなに顔を真っ赤にして熱烈指導をしても、なかな生徒の成績はあがりませんでした。
生徒が間違えそうな問題を先回りして教えた結果
塾の先生を数年やれば、生徒達は「どういう問題を間違えるか」くらいのことは分かるようになります。
ですから授業の中で・・
生徒の間違えそうな問題を全て先回りして教えました!
さあ! これで完璧! 今度の試験はみんな良い点数取ってくるぞ~!
と意気込んでいたのですが・・・無残な結果に終わりました。
しかーし!
そんなことではへこたれていられません。
次回の試験では「もっとたくさん丁寧に」教えました。
ところがギッチョンチョン・・やはり結果は無残なものでした。
何がけなかったのだろうか?
いろいろな先生と意見交換などして、ひとつの答えを見つけました。
それは・・・
私が分かりやすく説明すればするほど、生徒達は「分かったつもり」になって安心してしまい、問題演習をあまりやらなくなった。
これが決定的な敗因でした。
そこで私はそれまでの指導を改めて・・・
なるべく生徒達が「自分で考えるような指導スタイル」にしようと決意しました。
いろいろ試行錯誤して現在の「集団個別指導」というスタイルを築きました。
このことにより、成績が中位から上位の生徒達の成績がぐぅ~んとあがり始めました。
まず入塾したら
- 勉強の仕方を教える。
- その勉強の仕方に沿って、各自課題をこなす。
- 分からない問題があったら質問にくる。
というスタイルがほぼできてきました。
つまり「いきなり」なんでもかんでも教えてしまうのではなく、
まず自分でやってみる! その上でサポートしてあげる。
というスタイルです。
このスタイルは今後も続けていくつもりです。もちろんこれを基本にもっと進化させていきます。
しかーし!
最近この集団個別指導にも問題点があることが分かってきました。それは・・・
教え魔→なるべく教えない→教えるへ!
現在の指導スタイルで、成績が中位から上位の子はどんどんできるようになってきました。
ですから、これはこれで構いませんし、今後も続けます。
しかーし!
勉強がかなり苦手な子・かなり遅れてる子の場合が問題なのです。
せっかく縁あってKOSHIN学院に来てくれた生徒達です。成績の良い子だけ面倒みるなんていうことはしたくありません。
お勉強が苦手でも、一生懸命毎日通ってきて頑張っている生徒もいるのです。
こういう生徒達もなんとかしてあげたいではありませんか!
半年ほど前に大阪の予備校で教室長をされている先生とお話しする機会がありました。
※お勤めの方なので、お名前は伏せさせていただきます。
その先生も「基本的な指導スタイル」は私と同様に、「まず自分で考えてから」なのだそうです。
でもそれだけだと、私同様に「どうしてもかなり勉強が遅れている子は救ってあげられない」んだよねという話になりました。
そこでだったら「もう一度教えてみようか?」という話になりました。
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※誤解されると困るのでお断りしておきますが、KOSHIN学院もこの教室長先生も「教えない」のではなくて、「まず自分で考えてから教える」という指導をしています。むしろ「教える量」はなんでも先回りしてた時よりも多くなっています。ものスゴく手間がかかる指導法ですから。
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全然勉強が分からない子に、まずやってみてと言っても
全然勉強が分からない子に「まず自分でやってみて!」と言ってもできるわけありません。
もちろん「自分でやらなければ」できるようにはならないのですが・・・
※そこは変わりません。
しかーし!
「自分でやらせる前に」、少しだけやり方を教えてあげると、こうした生徒でも少しずつ「自分のチカラ」だけで問題を解けるようになってきます。
まさに「山本五十六」さんの名言である
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ
という言葉通りです。
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてあげると、
それまで勉強をイヤイヤやってた子達の目の色が変わってきました。
塾に来た時に「笑顔」がでるようになってきました。
- 楽しくなければ塾じゃない
- 楽しいだけでは塾じゃない
と言った人がいますが、それは本当だと感じる瞬間です。
十把一絡げみたいな指導では、なかなか全ての生徒を救ってあげることはできません。
今日書いたブログも、「当たり前といえば当たり前」のことなんですけどね。
でもその「当たり前のことを確実にやる」ことが、大切です。
かのイチロー選手も「小さな積み重ね」こそが大切とおっしゃってます。
ちなみに大阪の予備校で教室長している先生は、
教えたからには、できるようになるまでやってもらう!
とおっしゃってました。もちろんKOSHIN学院もそうしていきます!
それでは今日はこの辺で。また明日!