暗記が苦手で困っています・・【学習塾】

暗記が苦手で困っていますという生徒は、特に中1に多いです。

原因は「小学生の頃」と比べると段違いに「覚えること」が多くなるからです。

小学生の場合学校では多くのことを暗記させる先生は少ないですが、中学校では「覚えていないことには」話になりません。

丸暗記では通用しないというけれど!

入試制度がいろいろ変わってきて「丸暗記」は通用しないと言われるんですけどね・・

覚えていないことは使えるわけがない!

のです。

丸暗記だけでは通用しなくなってきたのは事実です。

しかーし!

暗記をしなくて良いわけでは絶対にありません!

生徒によっては勝手に都合良く解釈している子もいますが、絶対にそれは違います。

丸暗記」ではダメなだけなのです。

例えば治安維持法の制定」(1925年4月公布)というのがあります。

これを単に「1925年治安維持法の制定」とだけ覚えるのがダメなのです。

なぜ治安維持法を制定する必要があったかというと、この1925年にはもう一つ大切な法律が制定されています。それが

普通選挙法の制定

です。

普通選挙法ができるまでは直接国税15円以上を納める者にだけ選挙権が与えられていました。

※参照:選挙の歴史

※参照:直接国税15円とは現在の価値でどのくらいか

要するにそれまでは「一部のお金持ち」にしか選挙権がなかったのでした。

つまり「一部の政治家とお金持ち」に都合の良い政治が行われていたとも言えます。

しかーし!

普通選挙法では「25歳以上の男子全員」に選挙権が与えられました。

ということは「誰でも政治に口を挟める」ようになったわけです。
※この時点では女性の参政権は認められていませんでした。女性の選挙権は第二次世界大戦終了後の(1945年8月15日終戦)1945年11月からになります。
※参照:女性の参政権

ただし「あまりにも自由に」政治に口を挟まれることは、当時の政府には大変都合の悪かったのです。

その頃は「社会主義」が台頭してきた頃で、明治政府にとっては認めるわけにいかない考え方でした。
※参照:資本主義・社会主義・共産主義のちがい

その都合の悪い思想や考え方を封じ込めるために「治安維持法」を制定したのでした。

という「れをちゃんと理解していれば」暗記は簡単なのです!

ですから、やはり「覚えてないことには」始まらないのです。

治安維持法・普通選挙法を知らなかったらどうにもなりませんよね。

「暗記しなさい」と言われた生徒の驚くべき行動

最近は中学校でも「憲法前文」を全て覚えなさいと指導する先生は減りました。

私が塾の先生になり立ての頃は、憲法前文を覚えるように指導している先生が多くいました。

ある日中学校で「憲法前文」を全部暗記してきなさいという宿題が出されました。

その時に当時の教え子は「驚くべき行動」に出たのです。

****憲法前文****
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ

****以上*****

これをいきなり全部「書いて」覚えようとし始めたのです。

小学生の時に教師から「漢字は何回も書いて覚えなさい」と指導されたので、それを忠実に実行しようとしらしいのです。

いやいやいや・・

この量を「何回も書いたって」覚えられるわけがありませんよね。

その生徒の親から私に電話がかかってきて「娘が学校の宿題を覚えられないと泣いているんですけど、どうしたら良いですか?」と仰るのです。

すぐに生徒に塾に来てもらって

  1. まず憲法前文の意味を教えてあげ。
  2. 書けるようになる前に言えるようにして。
  3. いきな全部言えなかったら、細かく区切って覚えて。
  4. 区切って言えるようになったら通して言えるようにして。
  5. 最後に「漢字」で書けるようにする。

と指導してあげました。するとこの生徒は1時間もかからずに全て覚えることができました。

いきなり書くのではなくて言えるようにする!

暗記のコツは「まず口で言えるように」することです。

昔はこれを「諳んじる」(そらんじる)と言いました。

私に指導して下さった先生も、よく「諳んじる」んだよと仰ってました。

そらで言えるようにすることが大切!

  1. 意味も分からない言葉は覚えられないし、覚えても意味がない。
  2. 意味が分かったら「そらで言えるように」する。
  3. 最後に書けるようにする。

このことを肝に銘じて、しっかり頑張ってください。

憲法前文のような長い文章を書く時間があれば、その間に口で言えるようにすれば何倍も何十倍も練習できるのです!

そして最後に「もうひとつ」お伝えしたいことがあります。

それは・・

暗記はすればするほど早くたくさん覚えられるようになる!

のです。

つまり訓練すればどんどん上達するということです。

それでは今日はこの辺で。また来週お会いしましょう!
※このブログは土日祭日はお休みさせていただいております。

【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】

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この記事を書いた人

瀬下淳志のアバター 瀬下淳志 KOSHIN学院塾長

神奈川県平塚市田村にある高校受験専門の集団個別指導の学習塾です。お勉強が苦手でもお断りしませんが『やる気』は大いに気にしています。