塾の先生を正式に職業としてから三十数年が経ちますが、その当時と変わらないことのひとつに「自分から質問しに行く」ことができない生徒がいるということがあります。
単純なことのようですが、生徒からすると大変ハードルの高いことのようです。
教える側からすると大変やりにくいのは事実
勉強を教えても反応がなくて、分かってるのか分かってないのかも分かりにくい生徒がいます。
ここで難しいのは「分かってない」と思って、あれこれ説明してしまうと余計に消化不良を起こして心を閉ざしてしまう生徒がいるということです。
KOSHIN学院では現在「集団個別指導」という私のオリジナルの指導方法を採っていますから、まだなんとかこういう生徒にも対応してあげられます。
しかーし!
「一斉授業」(学校のような授業スタイル)だと「その生徒のためだけに時間をさく」というのは「不可能」です。
やろうとすれば「その生徒だけ別の時間に呼び出して」個別に指導するしかありません。
ということは「質問するのが苦手な生徒」は、二重三重に塾に通わなければなりません。これってかなり苦痛を伴う作業です。
できないことを隠したいという気持ちが強くなる
ちょっと考えてみてください。「自分だけ補習だの追試だのに呼ばれる」ってどんな気持ちでしょうか。なかには全然へっちゃらで楽しそうに補習に来る子もいましたが・・・。
しかーし!
私が「難しい」と感じるのは、あきらかに弱弱しくて質問できそうにないタイプの生徒ではありません。そういう生徒にはそれなりの指導方法がありますし、こちらも最初から気をつけてあげます。
難しいのは「普通の会話」はキャッキャッと楽しくできるのに、「いざ勉強」となると尻込みしてしまう生徒です。
かつて「真衣ちゃん」(当時小6)という生徒がいました。真衣ちゃんは明るくて楽しい生徒なのですが、どうしても「勉強のこと」となると自信の無さからか質問しにきてくれませんでした。
私が目一杯明るく振る舞って
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L2″ icon=”jukucho.jpg” name=”塾長”] 真衣ちゃん、分からないところある?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R2″ icon=”girl.jpg” name=”真衣ちゃん”] ・・・・。。。涙がポロリ[/speech_bubble]
こんな具合に私が「分かる? 大丈夫?」と聞きすぎると真衣ちゃんは泣き出してしまうのでした。
毎回休まずに早い時間から塾を楽しみにしてきてくれて、「学校での出来事」なんかの話だと楽しそうに話してくれるのに「勉強」となると、途端にトーンダウンです。
塾に来るときはニコニコ笑顔なのに、帰るときはいつも涙ポロポロ・・・。
正直なところ私も八方塞がりな状態でした。
そんな時に救世主現る!
たまたま卒業生の女の子が「先生! 1ヶ月に一万円で良いからバイトさせてくれませんか?」と言いに来たのです。
それまで「うちは一切バイトには指導させません!」と言い切っていたのですが、背に腹はかえられないので、その卒業生に「真衣ちゃん」の面倒をみさせてみました。
するとどうでしょう! 真衣ちゃんの表情がいっぺんに明るくなって卒業生お姉さんにどんどん積極的に質問し始めたではありませんか!
この時は「アルバイトスタッフ」を採用して本当に良かったと思いました。
※この時以来、KOSHIN学院には常にバイトスタッフがいるようになりました。
※但し19:30~21:30のクラスのみです。火曜日木曜日は17:00~19;00もバイトスタッフがいます。
しかーし!
と言われるとそうとも言い切れません。
中には「私にしか質問に来られない子」もいるんです。意外なことに「女の子」にこうしたケースが多いのです。
しかーし!
いずれのケースでも「慣れてくれば」、バイトスタッフでも私でも気軽に質問しに来れるようになる子がほとんどです。
うちのバイトスタッフもその辺りは分かっていて、良い具合に振る舞ってくれるので助かっています。
いつの時代も、これはとても難しい課題であります。 ただ真衣ちゃんのような子でも安心して通える学習塾でありたいと思っています。
それでは今日はこの辺で! また明日!
【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】