先日ユニバースクールの天野先生から「読解力ってどうしてら付けさせることができますか?」という質問をいただきました。
その時は上手く返事ができなかったので、今日改めて「読解力」について書いてみたいと思います。
まず「文章を読む」のには2通りのパターンがあります。
1:意味を理解しながら読む
あえて皆様に伝わりやすいように「難しい言葉」を使った文章を書いてみます。
<例文>
まず「言葉の意味」をしっかり理解しながら読むことが大切です。
簡単に説明すると
- 庄屋:(しょうや)江戸時代の農民をまとめる人。身分は「農民」
- 飢饉:(ききん)飢えに苦しむ人が大量に出てしまった状態
- 只管打坐:(しかんだざ)ただひたすら座禅すること。
- 沈思黙考:(ちんしもっこう)黙ってじっくりと深く物事を考え込むこと。
このように「読み方も意味も分からない言葉」は必ず調べて理解しながら文章を読み進める読み方を続けて行くと読解力がついていきます。
この時に「庄屋」とか「五助」という言葉にも注目します。
今の子達に「庄屋」とか言っても、まったく意味が分からないか、せいぜい「居酒屋」を思い出すくらいが関の山でしょう。
※イメージ画 長浜の庄屋屋敷(1804年建築):茅葺きの入母屋造り
特に感じて欲しいのは「五助」(ごすけ)という名前です。さすがに今では「五助」という名前の人はほとんどいません。五助という名前から「昔の人だな」と連想して欲しいんです。
「庄屋の五助」ですから、農民の中でも村人達をまとめる人なんですね。その人が「飢饉」長雨や日照りなどが続いて作物が取れず、飢え死にする人が多く出てしまった状態になって困っているんだと読み取ります。
そこで「座禅」(ひたすら座って)を組んで、「沈思黙考」(だまってじっくり考えている)んだという風に時代背景なども頭の中に描きながら読み進めるということを幼いときから繰り返します。
そうすると「書いてあること」が頭と心にすっと入ってくるようになります。
読解力がついてくると、あたかも「自分が五助になった」ような気持ちで文章を読むことができるようになります。
字ヅラだけを追っている読み方
簡単にいうと活字の羅列に対して目を移動させているだけという行為です。つまり「眺めているだけで、頭に入ってこない状態」です。
お勉強が苦手な生徒に「ちゃんと問題文を読みなさい!」というと、十中八九「眺めているだけ」な状態なんですね。
ではどうすればちゃんと理解するようになるか?
子どもと話をする際に、『これって何のためなんだろうね~』『なぜそうなんだろうね~』『これって※※と似てない?』と言ってみることです。
読解力がある子の親は「無意識」のうちに子どもとそんな会話をしています。
ある秀才生徒のお母さんは「テレビの前にいつも地球儀を置いてある」とおっしゃってました。
例えばテレビで「ウクライナ」「ボリビア」「アルジェリア」など、なかなかパッと場所のイメージが湧かない国名・地名が出てくると「家族みんな」で地球儀を使って調べるそうです。
するとなんとなっく「ウクライナの人ってどんな食事をしているんだろう?」「ボリビアから日本に移住してくる人が多いのはなぜだろう?」なんていう会話になっていくそうです。
意味を理解する子は、このように「疑問を持つ」「自分に置き換える」「目的を考える」傾向にあります。
はっきり言っちゃおうかな!
子どもにスマホを与えてゲームをやらせて、親は親でスマホを見ながら家族で食事なんていうことをしてたんじゃ、子どもの頭はよくならないということです!
このように実は「読解力」を身につけさせるには、「家族での何気ない会話」が重要です。
読解力がないと国語だけでなく、「全ての科目」で困ってしまいます。まさに
読解力がないのは致命傷!
なのです。 あなたのお子さんは「本を眺めているだけ」になっていませんか?
それでは今日はこの辺で! また来週お会いしましょう。
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