あれは確か私が中学2年生の時だったと思います。
中学の担任から「冬休みの計画」をたてなさいといわれ、「毎日10時間勉強する!」って書きました。
すると担任はあろうことか「それじゃ足りない!」とか言ってきました。
私は「そんなに出来るわけないじゃん!」と完全に意気消沈してしまいました。
あれから40年・・ではなくて、それから10年後私は塾の先生になっていました。
先輩の先生からは「もっと生徒に勉強させなさい!」「宿題はいくら出しても構わない」なとど言われ、その通りに実行してみました。
そしてら「宿題をやり切れなくなった生徒が次々と退塾」してしまいました。
すると上司からは「烈火のごとく怒鳴られ」私を無能扱いしました。
いやいや、上司や先輩の言うとおりにやったんだけどなぁ・・・・。
はっきり言っちゃおうかな!
上司や先輩の言うことを信じた私がバカでした!
もし「今の私」が「当時の私」に声をかけるとしたら・・
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L2″ icon=”jukucho.jpg” name=”今の私”] おいおい、いくらなんでも普通の中学生が「そんなにたくさん」宿題をできると思うかい? 自分がそんなに宿題を課されたらやる気がでたかい?[/speech_bubble]
って言うと思うのです。
実はKOSHIN学院を作ってからも「似たような失敗」をしました。
KOSHIN学院の「第1回卒業生&第2回卒業生」くらいまでは、「夏休みや冬休み」ともなると「朝から晩まで塾に閉じ込めて勉強」させても、びくともしない子が集まってました。
むしろ「居残り」とか「休日特訓」とかやると「喜ぶ」ような子達が集まってくれていました。
しかーし!
悲劇はここから始まりました。
私はまたしても「自分が中学生だった頃の気持ち」を忘れて、「中学生は何時間も塾に閉じ込めて勉強させれば出来るようになるんだ!」と偉大なる勘違いをしてしまいました。
一期生・二期生は「たまたま」少しくらい厳しくしてもニコニコ笑ってるような子達が集まってくれたに過ぎなかったのでした。
宿題忘れても平気な顔して「え~!? 宿題なんかあったっけ??」って笑ってるような子達が多かったのです。
良く言えば「おおらか」だったのでした。
しかーし!
その辺りから「少子化」が社会問題になり、良くも悪くも「子どもを大切に育てる風潮」が主流に変わっていきました。
その時事件は起きました!
三期・四期生から「退塾届の雨あられ」を喰らったのでした。
時代の流れもあったでしょうが、何よりも「私自身のおごり」「傲慢さ」が思いっきり表面化したのでした。
正確には覚えていませんが、前塾を辞めたときに捨てたはずの「お前たち、良いから俺の言うとおりにやれ!」的な言葉が知らず知らずのうちに私の口から飛び出していたのだと思います。
ものスゴく反省したけれど後の祭りです。せっかくKOSHIN学院に来てくれた生徒が何人も去ってしまいました。
一生懸命頑張って塾運営を立て直そうとしましたが、なかなか上手くいきませんでした。
月日や時間が経っても、相変わらず「勉強が苦手な子達」を救ってあげることができませんでした。
それとは逆に平塚江南高校などのTOP校には、多くの生徒を送り込んでいたのですが・・・。
でも「出来ない子達は相変わらず辞めていく」のでした・・・
ここがKOSHIN学院のターニングポイントでした!
もう「こんなはずじゃなかった!」「僕はこんな塾を作りたかったんじゃなかった!」と猛反省をしました。
学年度の途中でしたが、もう「このやり方じゃダメだ!」と思い、悩みに悩んだ末に現在の「集団個別指導」へと移行しました。
そして「卒業生アルバイト」を初めて採用し、生徒の指導を手伝ってもらうようにしました。
この時奇跡が起こりました!
勉強出来なくて泣いていた子達が、バイトスタッフのお姉さんに懐くのなんの。私には決して見せることがなかった笑顔で卒業生スタッフのお姉さんにどんどん質問をするのでした。
長かった勉強時間も少しずつ減らし、「やりたい子はもっとやっても良いよ」というスタイルに変えました。
こんなに「卒業生スタッフ」が威力を発揮するならばと、あと数名バイトスタッフを増やすことにしました。
そこで私はさらに驚くべき行動に出ました。なんと「高校生」もバイトスタッフに加えてみたのです。もちろん私が信頼する子達です。
生徒と年齢が近いことも相まって、あっという間に生徒達から慕われる存在になり、生徒達は楽しそうに先輩に勉強を教えてもらうようになったのでした。
これはもう私の完全な負け! というより「私の指導の限界」だったのでした。だって私よりも高校生のお姉さんの方が、生徒と打ち解けて勉強してるんだもん。
しかーし!
ようやく私にも「相談相手」ができたわけです。しかも「教え子」という相談相手が。
それからは毎日のようにスタッフの子達といろいろ話し合いました。おかげで「生徒の気持ち」を改めていろいろ知ることができました。
- いきなり長すぎる試験対策は生徒のやる気を奪う
- 厳しすぎる宿題の撤廃。
- どのくらいの宿題なら生徒やる気がでるか。
- 集団個別指導って具体的にどうしたら良いか。
などについて毎日のようにいろいろ話し合いました。それ以来毎年のように改良に改良を重ね、現在のような『集団個別指導』に辿り着いたのです。
生徒によって「体力」や「学力」は、大きく個人差があります。
にもかかわらず、全員十把一絡げに指導するのは間違っていました。
ただし、※※君には宿題が多くて、△△さんには宿題が少ないなんて言われるのも良くありません。
このような問題点に対応する方法なども、スタッフの子達といろいろ話しました。
やがて「なんのための宿題なんだろうね?」なんて話になっちゃって。
※これは今度別の機会に記事にします。
長い時間勉強するのが悪いわけじゃないんだけど
毎年中3生は卒業していきます。そして新しい中3生が誕生します。去年の生徒が出来たからといって、今年の生徒もできると決まっているわけではありません。
新しい中3生に、いきなり「去年の中3と同じだけ」勉強させるのは酷というものです。徐々に引っ張ってあげなければいけません。
無理やりやらせたら、心が折れてしまう生徒が出てしまいます。
※今でもゼロではありません。まだま改良の余地があります。
KOSHIN学院は、その時々の生徒の様子をみながら上手に引っ張ってあげられる塾でありたいと思っています。
そして気がついたら「僕も・私も・長い時間頑張れるようになってた!」というようにしてあげたいです。
それでは今日はこの辺で! また明日♪