自分から先生になかなか質問できない子は相当数います。
というよりも、KOSHIN学院には「そんな子が多く在籍」してくれています。
あれは今から20年ほど前のことでした。ある小学生の女の子(仮称:真衣ちゃん)がいました。真衣ちゃんは「楽しいおしゃべり」ならば私とたくさん会話できるのですが、どうしても「勉強」となると私に質問できなくなってしまうのでした。
おそらく「20年前の私」は生徒の皆さんに対して、知らず知らずのうちに「強い圧力」をかけてしまっていたのかもしれません。
生徒の立場からすれば「こんなのを質問したら叱られるんじゃないか?」という恐怖心もあったと思うのです。
真衣ちゃんはKOSHIN学院のことが大好きで、いつも授業が始まる時間よりかなり早めにきて、私や他の塾生と楽しそうにおしゃべりしていました。
しかーし!
いざ勉強が始まると、分からない問題の連発で仕舞いには泣き出してしまうのでした。
- 塾に来るときはルンルンで来るのに。
- 帰る時には涙をポロポロ流している。
私も一生懸命努力して、なんとか真衣ちゃんに優しく分かりやすく説明してあげようと思うのですが、私の気持ちとは裏腹に、真衣ちゃんの目には大粒の涙。
正直なことを言うと「私には塾の先生なんか向いていない、もう塾を閉じようか」と思いました。
救世主あらわる!
真衣ちゃんのことを救ってあげられない自分に悶々としていた時に、卒業生の女の子(仮称:カオリちゃん)が久しぶりに塾に遊びに来てくれました。
彼女は「先生! 月に一万円で良いからバイトさせてもらえませんか?」と言い出しました。当時専門学校に通っていた彼女ですが、話を聞くと「お昼ご飯を買うお金がない」というのです。
当時私は「KOSHIN学院はアルバイトはいません! プロの授業を味わってください!」と広告に書いていました。
しかーし!
真衣ちゃんの件以来、私はかなり自信喪失していました。
そこで、カオリちゃんにアルバイトをお願いしました。
ここで驚くべきことが起こりました!
あの真衣ちゃんが、カオリ先生にめちゃくちゃなついて、嬉しそうに勉強を教わってるのです。
私には全く質問に来てくれなかった真衣ちゃんが、カオリ先輩先生には積極的にどんどん質問しているのです。
その時私は「私に足りないもの」がハッキリわかりました。
以来二十数年間、ずっと「卒業生のバイトスタッフ」に来てもらっています。ちなみにそのカオリ先生も今では立派な主婦となり、二児の母親となっています。さらに驚くべきことにカオリさんの息子さんが、今は塾生として来てくれています。
今では私も丸くなって・・・
あれから二十数年が経ちました。私自身のこの二十数年で実に多くのことを経験しました。
なかなか質問できない子は、今でもたくさんいます。当時はこういう生徒にはどう接したら良いか分からなかったのですが、今では逆に「得意」になってきました。
何を教えても勘が鋭くて、どんどん出来る子は「誰が教えたって、それなりに」できるようになります。
もちろん私だって、そんな生徒ばかりだったら仕事は大変ラクチンです。
でもね!
「なかなか自分から質問できない子」は、では一体誰が救ってくれるのでしょうか?
それは「私のような先生」が面倒みてあげるしかないのだと思います。
※実はそういう先生って探すとたくさんいらっしゃいます。私がTwitterでフォローしている先生にも、そんな先生が数多くいます。
お陰様でKOSHIN学院も設立して25年になりました。私は「多くの卒業生」に助けられながら今日も塾を続けています。
今年の中3生も間もなく卒業しますが、みんなすごく立派に成長してくれています。もう既に間もなく卒業する子達にいろいろ助けてもらっています。
※本年度中3生卒業パーティーの様子
今日も何名かの中3生が、一生懸命後輩に勉強を教えてくれていました。後輩達も先輩から一生懸命学んでいました。
※中3生は入試が終わっても、高校準備のため真面目に通ってきてくれています。
KOSHIN学院の教室では、いろいろな学年の子が一緒に勉強するからこその魅力のひとつだと思います。
それこそ、「私にはなかなか質問できない子」だって、中3の先輩にはどんどん質問していましたし。
それでは今日はこの辺で! また明日♪