塾の先生をしていると、不真面目な子や勉強しない子・宿題などをやって来ない子はすごく気になります。
もう少し付け加えると、「勉強してない生徒」って、うちのバイトの人達でもすぐに分かります。
もっと言うと「臨時のヘルプ」で入ってくれたバイトの子でも、「※※君は、かなりまずいですね!」なんていうのはすぐに分かっちゃうんです。
かつて私がやらかした大失敗!
そういうわけで、勉強しない生徒ってすごく目立つんですよ。一度塾の先生をしてみると、一目で分かりますから。
そういうわけで、私も若かりし頃「大失敗」をしました。
そういう問題のある生徒にばかり気を取られていたら、「真面目に頑張っている生徒」がポロポロと退塾していっちゃったの。
「一生懸命頑張っている生徒」こそ、面倒みてあげるべきだったのに、この子は真面目だから大丈夫だろうという気持ちがどこかにあったのでした。
その生徒が退塾してしまったのは当然だったと反省しています。
「真面目にやらない子が色々面倒みてもらってるのに、真面目にやってる私は放置されている」と思っていたのでした。
これは、私の大失敗でした。退塾しますと言われたときには、すでに時遅しでした。
私はこのブログで「一生懸命頑張っている生徒をトコトン応援する学習塾です!」と毎日のように書いていますが、こうした失敗から生まれた言葉なのです。
真面目な生徒こそ気をつけてあげなくては!
一生懸命頑張っているけど、なかなか成績があがらないという生徒はトコトン面倒みます。
やることもやらないで、いい加減なことをしている子はKOSHIN学院では面倒みません。
30年くらい前に教えた中3生の話です。すごく真面目な女の子(仮称:ひとみちゃん)で、「私がやってごらん!」というと、ヒッシになってやってくる生徒でした。
ある日ひとみちゃんのお母様から塾に電話がありました。家で泣いちゃってて、塾に行きたいくないと言ってるのだとか・・・。
「日本国憲法前文」を暗記しておいでという宿題を出したのです。ひとみちゃんなら覚えられるだろうという気持ちがありました。
しかーし!
日本国憲法前文を全て覚えるのって、いくら「ひとみちゃん」が優秀な子とはいえ、中3生にいきなり覚えなさいは無理がありました。
****日本国憲法前文(引用)******
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
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私は学校の試験に出るというので、宿題に出したので宿題をだしたこと自体には問題がなったと思っていますが、次のふたつのことをしていませんでした。
- 中学生だと、これだけ長い文章を覚えることになれていない。どうやって覚えて良いか分からない生徒に覚えてこいとだけしか言わなかった。
- 日本国憲法前文の意味・解釈なども説明しないまま覚えておいでと言ってしまった。これくらい「ひとみちゃん」なら分かるだろう。と勝ってに思っていた。
結局この時は「ひとみちゃんのお母様」に救われました。お母さんが「少しずつ分けて、お母さんと覚えよう!」とひとみちゃんに言ってくれたのでした。
また憲法前文には「難しい字」がたくさん出てきます。
例:専制と隷従、圧迫と偏狭
お母様は、こうした言葉をひとみちゃんに説明してくれたそうです。
これは30年前に私がやらかした大失敗の一例です。
今だって大量に暗記しなければならないことがある
今中学二年生は英語で「受動態」というのを習っています。
be+過去分詞(pp)~される
というあれです。
これが出てくると「過去分詞」を覚える必要があります。
- 規則動詞 :want wanted wanted
- 不規則動詞:speak spoke spoken
私も中学生の時に、徹底的に覚えさせられました。当時は今のようなワークなどありませんでしたから、英和辞典の後ろにある不規則動詞をすべて覚えさせられました。
その時に覚えた方法は「まず言えるようにする」ことでした。
「話す」ときたらスピーク・スポーク・スポークン
あの頃は ABC型・ABB型 ABA型 AAA型 などに分類して覚えたような記憶があります。
※それが一番良いかどうかは分かりませんが、私の時代はそうでした。
ただ「まず言えるようにする」のが大切なのは、今も昔も関係ないのではないでしょうか。
今日中2で勉強がかなり先に進んでいる子に、「不規則動詞全部覚えてみようか?」と言ってみました。
本人も覚えられるか不安な表情をしていましたが、
- 「まず口で言えるようにしてごらん!」
- 「10個くらいずつ分けて覚えても良いよ!」
- 「家でひとりでやるだと大変だから、今日塾で一緒にやってみようか!」
と言ったら、一生懸命頑張って覚え始めました。そして付け加えた言葉は。
これ全部覚えられたら、すごく自信が付くよ~!
本人もその気になってくれました。こうしたケアをしてあげると、真面目な生徒は更に輝けるのです。
というわけで、真面目な生徒ほど、ちゃんと面倒みてあげる必要があるというお話しでした。
それでは今日はこの辺で。 また明日!