KOSHIN学院には、すごく真面目で素直な生徒がたくさん通ってきてくれています。
こんばんは。KOSHIN学院塾長の瀬下です。
素直で真面目な良い子ですから、それにともなって「成績」「点数」もあがっていきそうなものですが、そう簡単なことでもありません。
これは授業中に実際にあった話です。しかも毎日のように繰り返されていることです!
とても真面目な中2の女の子がいます。仮に名前をサリーちゃんとします(古いなぁ)。
サリーちゃんは、本当に真面目な子で、部活でどんなに疲れていても塾にきます。そのうえ毎回宿題も「こちらが要求した量より遙かにたくさん」やってきます。
さらにサリーちゃんの良いところは、私が「こういうふうにやってごらん!」と言ったことは、絶対に守ろうとします。
ここまでこのブログを読んで下さったお母様方! 「サリーちゃんってすごいなぁ!」って思ってくださったと思います。
うちの子もサリーちゃんみたいに素直で笑顔が絶えない子だったら良かったのにとかね(笑)。
ところがギッチョンチョン
サリーちゃんにも弱点があるんです。
とにかくたくさん量をこなして先に進みたがる
これがサリーちゃんの欠点です。悪いことではないのかもしれませんが、この気持ちがサリーちゃんの点数をあげるさまたげになっているんです。
1度解いた問題は、「もう1回やってごらん!」と言うと、サリーちゃんは素直にやってくれるんですけどね、でも何度繰り返しても「同じ問題を間違える」のです。
もちろん
- 間違えた問題は、ちゃんとやり直ししています。
- しかも何回もやり直ししています。
だけど、次の日に同じ問題をやるとできないんです。
「なんでだろう。どうしてなんだろう。」と私も随分悩みました。
ある時ふと気がついたことがありました。
もしかしたら、この子は真面目に勉強も部活もやって、それで満足しているのではないか?
「本当に分かりたい!絶対に解けるようになりたい!」という意識で、問題を解いていないのではないかと思ったのです。
そこで、サリーちゃんが勉強しているところを観察するために、私のすぐそばの席に座らせてみました。
ずっと見ているとあることに気がつきました。
間違えた問題をやり直ししているのですが、やり直ししたらすぐに次の問題に進みたがるんです!
つまり
できるようになりたい< 先に進みたい
なんですね。
そういえば私にもそんな時期がありました。
私はこんな顔をしているのですが、4歳から20歳までピアノを習っていたんです。
※ごめんなさい。想像できませんよね(>_<)
中学生の頃だったと思うのですが、同級生に他にもピアノを習ってる男子が2~3名いました。
私は彼らに負けたくなくて、どんどん先に進みたがったんです。
すると先生は「あっちゃんは、まだここが完璧じゃないから、もう少しできるようになってからね!」と言うのです。
私はそんなことは良いから、とにかく彼らより先に進みたかったんです。
私とサリーちゃんを比べるのは、サリーちゃんに失礼なんですけどね、「とにかく先に進みたい」という部分は同じなんだと思うんです。
ましてピアノは「点数」が出るわけじゃないので、自覚症状がないんです。
話を戻します!
サリーちゃんが、一生懸命頑張っているわりに点数があがらない原因はこれでした!
非常に真面目な子なので、分からないとよく質問にもきました。私も一生懸命教えました。
しかーし!
これがいけなかった(>_<)
サリーちゃんが成績があがらない原因は「私」だったのでした。
非常に真面目な良い子ですから、私としても一生懸命教えてあげたかったんですけどね、このことがサリーちゃんが「自分で考える」ということを少しおろそかにしてしまったんですね。
こんがらがっちゃった問題を、自分のチカラで整理させなければいけなかったのでした。
大手塾出身の私の悪い癖で、とにかく「教えたい」んですよ(笑)。
でも「教えちゃいけない」んです。
こういう真面目な生徒には「分からない問題を教える」のではなくて、「こんがらがっちゃった時の整理の仕方」を教えてあげなければならなかったんです。
こうして言葉でいうのは簡単なんですけどね、実はこれかなり難しいことなのです。
ここをクリアーしないと、一生誰かに教えてもらわないと何もできない人間になっちゃうんです。
はっきり言っちゃおうかなあ!
日本人って、なぜだか習い事が大好きじゃん!
私の母も60歳を過ぎてから「フラダンス」「韓国語」などいろいろ習いにいってました。
若い頃は「英会話」だの「生け花」だのを毎週のように習いにいってました。
父も定年退職後は「弓道」だの「詩吟」だのと、毎日のように出かけていました。
私の親世代の方でも、こうした方をたくさんお見かけします。
幼い子でも「スイミング」「ピアノ」「習字」「そろばん」。最近では「サッカー」「野球」も習いに行きますよね。
中学生になると「塾」ですよ・・・ごめんなさい(>_<)
中学を卒業しても「高校」「専門学校」「大学」と習い事ばかりでしてね。うちの卒業生には「料理教室の講師」になった子もいます。
良いとか悪いとかではなくて、これが現実なんですね。
習い事には「仲間を作る」という利点もあるので、一概に否定しませんが、
いったい何歳になるまで習い事を続けるんですか?
他人に教わるばっかりじゃなくて、少しは自分で考える人間に育てる(育つ)ことを考えてみませんか?
それが証拠に赤ちゃんは、なんでも自分でやってみたがるではありませんか!
塾に通わないと勉強できない人間を育てちゃったのは「我々塾業界の人間」なんですよ!
だから私は断じてそんな指導はしたくありません!
それでは今日はこのへんで。また明日!
【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、「自分で考える」ことを大切にする学習塾です!】