「塾講師」を募集するサイトがあるのをご存知でしょうか。KOSHIN学院にもしょっちゅう「うちのサイトを利用しませんか?」という電話がかかってきます。しかも「授業中」にですよ。非常識だったらありゃしない。
ある統計によると、全国には「コンビニ」よりも「学習塾」の方が数では圧倒的に上回っているそうです。最近では「個別指導塾」が増えています。「大手塾」でさへ「個別部門」を別に設けています。
そうなってくると、圧倒的に足りなくなるのは「塾講師」の数です。私の知り合いが岩手県の山奥で塾を営んでいるのですが、講師のアルバイトの学生がなんと「新幹線」に乗ってきてくれるのだとか。
しかも新幹線の駅から、また電車を乗り換えて1時間近く乗ってくるのだとか。そのローカル線は終電が早いので、帰りは新幹線の駅まで教室長がクルマで送っていくのだとか。そりゃもうカルチャーショックでした。
昔は講師をやらせてくれませんかという問い合わせがありました。
KOSHIN学院を作った23年前ですと、「そちらの塾ではアルバイトの講師を募集していませんか?」という問い合わせの電話がしょっちゅうかかってきました。つまり
バイトしたい人>バイトを募集したい人
だったんですけどね。塾の数がこれだけ増えると、両者の関係は完全に逆転してしまいました。
ところがギッチョンチョン
塾の先生って「エラソー」な人が多くてですね、こんな時代になっても「雇ってやってるんだ」みたいな雰囲気を醸し出す先生が多いんですよ。
こういう人はたいてい「利益こそが最優先」ですから、できればアルバイトの学生にできるだけお金を払いたくないわけ。
もうちょっと言っちゃうと、学生バイトなんか「使い捨て」と思っている経営者が多いのです。
はっきり言っちゃおうかな~!
しょっちゅう担当の先生が替わる塾に良い塾はなし!
もしあなたのお子さんの塾の先生がコロコロかわるようでしたら、考え直した方が良いですよ。それだけ「塾講師の定着率」が悪いということですから。
うちのスタッフはほぼ全員卒業まで手伝ってくれます。
いくら私と一緒に教室に入るからと言っても、やはり生徒の皆さんに指導をするのですから、それなりに責任は重いはずです。
うちのスタッフは「全員卒業生」ですから、その重たさは何も教えなくてもすごく感じてくれています。ですから決して「ラクな仕事」ではありません。
にもかかわらず、うちのスタッフはほぼ全員卒業まで手伝ってくれます。
他塾と比べると、そんなに時給が高いわけでもありません。あくまでも「アシスタント」という位置づけですから。
【金儲け主義の塾長】
- 従業員を雇ってやってるという感覚。
- 使えない奴はすぐにやめさせて、新しい人を入れる。
- 従業員に対して馬鹿にするような態度をとる。
【KOSHIN学院の場合】
- 塾長1人では教えてあげきれないので、手伝ってもらってるという感覚。
- そもそも生徒の時から、この子は良いスタッフになると思って採用している。
- 生徒の時から指導しているので、お互いに気持ちを察しあえる。
これが大きな差なのです。もちろん「アルバイト」ですからお金はたくさん欲しいに決まっています。
しかーし!
本当にそれだけでしょうか? お金さへ払えば優秀なスタッフは集まってくるのでしょうか?
KOSHIN学院の場合ですと、「高校生」にもお手伝いのスタッフとして、私と一緒に教室に入って手伝ってもらっています。
しかし「高校生」の場合は「大きな問題」があります。
高校生には「学校の試験」という難敵が待っているのです。
先ほども申しましたが、KOSHIN学院のスタッフは全員「卒業生」です。塾長の私としては、卒業生達が卒業後も一生懸命頑張って勉強している姿を見たいのです。
そもそも「自分の勉強を頑張らない」ような子は、うちのスタッフとしては不適格ですから。
ですから試験期間中は、バイトは必ずお休みさせるようにしています。複数のバイトがいるので、みんなでいろいろやりくりしてくれています。
現役の生徒だったときに、一生懸命がんばっていた子にバイトをお願いしています。
「この子が必要だ!」っていう直感なんですけどね。
アルバイトではあるけれど、みんな私の可愛い娘みたいな感じなんです。
そういう気持ちでスタッフと接していますから、みんな卒業して物理的に塾に来られなくなるまで、ずっと手伝ってくれるんだと思っています。
そもそもスタッフに優しく・温かく接することができない経営者が、生徒達に愛情込めて接することなんかできません!
塾を選ぶ時には、スタッフの人達がそれぞれ楽しそうに働いているかをみることも必要だと思います。
もっとも金に糸目をつけないから、とにかく点数さえ上がれば良いというなら別ですが。
特に「学習塾」というのは、人が人に教える仕事です。人を大事にしないから塾講師が長続きしないんですよ。
アルバイトだけじゃなくて、正社員だって同じことです。
ブラック企業なんかじゃ、若い子は育ちません。そもそも絶対に長続きなんかしませんよ。
私を散々いじめた塾も、私が退職後あっという間に潰れましたから。
自分で言うのも恥ずかしいのですが、私は私にできる精一杯の愛情をスタッフや生徒に注ぎ込んできました。
生徒を大切にするって、甘やかすことではありませんからね!
だから二十三年も、こんな小さな塾がやってこれたのだと思っています。
それでは今日はこの辺で。また明日!