文科省の指導要領もずいぶん変わってきたんですけどね。詰め込み教育からの脱却とでも申しましょうか。
詰め込み教育の代名詞といえば「暗記」です。どれだけ多くのことを覚えているかが、学力の基準でした。
しかーし!
暗記が不要になったわけではありません。「暗記しただけではダメ」というようになっただけなんです。
つまり、やはり暗記してなければ話にならないわけです。
暗記が苦手な生徒に共通すること!
例えば「英語の単語を覚えなさい!」と言われると、いつまでも教科書を眺めているだけの生徒が結構いるんです。
眺めているだけ覚えられるようになるなんて、相当な上級者ですよ。ほとんどの中学生には無理でしょう。
単語や文章が覚えられない生徒は、次のようなことをします。
- 教科書などを眺めているだけ。
- 意味もなく何回もノートに繰り返し書く。
- 問題文までノートに書いて時間を潰している。
これ全部NGですからね!
よく保護者の方などが、覚えられないなら何回も書いて覚えなさいなんて子どもに言っているのを耳にします。
私はこれが大っ嫌いなんです。私のように集中力のない人間の場合ですと、10回も書いていると「違う字」になっちゃうことが多いのです。
特に気をつけて欲しいのは、問題文までノートに書いて時間を潰している生徒です。端から見てると「勉強している」ようにみえますが、実は「作業をしているだけ」ですから。
私はこういう生徒は容赦なくビッシビッシ指導しますからね。
しかーし!
事態はそれで済みません。
私も学生時代英単語を覚えるために、「100回」書いてみたんですよ。
100回書いても、結局覚えられませんでした。これ単なる時間の無駄なんですよ。
覚えようと思って書くなら良いのですが、ただ漫然と書いて覚えられるわけじゃないんです。
では覚えるにはどうしたら良いか?
いきなりノートに書くのは賛成できません。
まずは「口で言えるようにすること!」が大切です。
私が中学二年生の時に覚えた英文を紹介します。
When a tall building is on fire, you’ll see a helicopter coming down to pick up the people on top of it.
この文章を書けるようにしなさいと、当時の先生に言われたのですが、こんな長い文章覚えられませんでした。
すると先生が「まず、言えるようにしてごらん!」と言ってくれたのです。
先生が聞いてる前で、全部言えるようになるまで何度も練習しました。すると簡単に覚えることができました。
最後にbuilding fire helicopterなどスペルが怪しい単語だけ練習しました。
その文章が試験に出て、おかげでバッチリできたんです。
他に有名な例文としては
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ
有名な平家物語の冒頭です。これを「いきなり書き始めて」覚えられると思いますか?
と言えば分かってもらえるでしょうか。
長くなればなるほど、まず「言えるように」になるように練習しますよね。
言えるようになってから「祇園精舎」とか「盛者必衰」などという漢字だけ練習すれば良いのです。
それでも納得いただけなければ、「かけ算の九九」を覚えるときに、いきなりノートに書きましたか?
なかにはそういう人もいたかもしれませんが、まずは「口で言える」ようにしたはずです。
暗記って覚えれば覚えるほど早くできるようなるの!
昨日も少し書いたんですけどね、現時点の小学6年生に、いきなり英単語を10個覚えなさいと言っても、覚えられない子が続出しちゃうんですよ。
そういう生徒でも「毎日」練習していると、10個くらいすぐに覚えられるようになります。
うちの卒業生が「小学校5年生」の時に、私が遊び半分で「英単語暗記集」をあげたのです。
全部で1200個の単語が載ってたのですが、朝から塾に来て夕方には全て覚え終わってしまいました。それまで特に英語を習ってたわけでもなんでもないんです。
ちなみにその生徒は、それで味をしめて暗記が大好きになりました。もちろん英語も大好きになりまして、小6で英検三級。中1で準二級。中2で二級に合格しました。
覚えられて嬉しい!
とその生徒は口癖のように言ってました。
昨日もお話ししたのですが、「覚えて無いもの」はどうにもならないんですよ。
まず覚えて、そして覚えたものを使いこなせるように練習するんです。
これが完璧にできれば、神奈川県の公立高校なら、どこでも合格できますよ。
最後にもう一度繰り返します!
覚えられたら嬉しい!
この気持ちを忘れないでくださいね! まず「口で言えるように」するんですよ!
それでは今日はこの辺で。また明日!