算数と数学のちがい・・・【学習塾】

小学生の頃なんとなくですが、「算数」よりも「数学」と言った方が格好良いなと思ってました。ただ実際に「どうちがうのか?」と言われて、スラスラ答えられる人って少ないんじゃないでしょうか。

このブログを読んでくださっている方の中には「数学よりも算数の方が簡単」と思っていらっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。

これね! ある意味正解で、ある意味全く不正解なんです。

私は塾の先生になって30年以上経ちますが、最近は「算数を教える」方が大変だと思うようになってきました。

今から20年ほど前に、中学受験専門の井出村宣夫先生とお話しする機会がありました。

どんな会話をしたか全て覚えているわけではないのですが、彼は

これだから数学の先生は困る! 算数のことなんにも分かってない!

というようなことをおっしゃってました。当時は井出村先生の言葉が理解できませんでした。

文部科学省の定義によれば算数は

「算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。」

のだそうです。

これが数学となると

数学的活動を通して,数量や図形などに関する基礎的な概念や原理・法則についての理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察し表現する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し,それらを活用して考えたり判断したりしようとする態度を育てる。

という違いが出てきます。

え? よく分からないですって? ですよね。私でも難しいです(笑)

要するに

  • 算数」というのは、身の回りで起こる実際の生活で使う道具。
  • 数学」というのは数学という学問を通して論理的に考える力

なのです。

まだこれでは難しいですよね、それでは具体例を!

【例題】
(1)10個のおにぎりがあります。4人で分けると、ひとり何個食べられるて、何個余るでしょう。

(2)18個のおにぎりがあります。8人で分けると、ひとり何個食べられるて、何個余るでしょう。

この「あまり」という感覚こそが「算数」なんですよ。

上の2問とも「実生活で必要な考え方」です。

(1)は10÷4=2あまり2 
(2)は18÷4=2あまり2

どちらも2個ずつ食べられて2個あまるわけです。

これが「数学」となると答えは違ってきます。
(1)は10÷4=2.25
(2)は18÷8=2.5

あらあら、「算数と数学」では答えが違うじゃないですか!

算数だったら(1)と(2)の答えは同じ。
数学だったら(1)と(2)の答えは違う。

これが算数と数学の違いなのです。

実生活」だったら、おにぎりを2.25個食べるなんて感覚はあり得ませんよね?

ここまで書けば、「なるほど!」と思っていただけたでしょうか。

私が井出村先生から一番教わったこと

当時はお互い若かったので、随分と考え方に違いがありました。というよりは、もはや考え方が対局に位置していたかもしれません。

でも私は「なぜか」井出村先生のことが好きでした。それは「思ってもみなかった考え方」をする先生だったからです。

その中で一番記憶に残っているのは、

公式を無理矢理覚えさせる」のではなくて、「繰り返し演習しながら生徒の頭にすり込んでいく感じ」の指導を大切にしているという言葉でした。

頭の中にすり込んでいくイメージ!

20年前に井出村先生から学んだ「衝撃的な言葉」ですけどね、これはもう「完全にKOSHIN学院の授業のスタイル」になっています。

中3の数学では「解の公式」というのが出てくるのですが、こういう時にも「頭にすり込んでいくイメージ」はすごく良いんです。

自転車で言えば、「無理矢理乗れるようになれ!」と子どもに教えても反発するか、もう嫌がってやらなくなってしまうかですよね。

でも「大丈夫!お父さんが支えているから安心してやってごらん!」と何度も練習すれば、子どもはメキメキ自転車の運転が上達します。

ここは「算数でも数学でも同じ」です。

小学生のお母さん、小学生を教える先生へ!

先述した通り、「算数」って実際の生活に必要なものなんです。

例えば「消費税8%」なんていうのは完全に「算数」なんです。

例えば本体価格980円の商品は税込みで

980×1.08=1058.4円になるのが数学

980×1.08=1058円(1059円)になるのは算数です。
※消費税の端数は切り上げ、切り捨て、四捨五入のどれも構いません。

実際の生活で1058.4円なんて支払えませんものね。これがまさに「算数」なんです。

あ! ちなみにKOSHIN学院のお月謝は全て「税込み価格」表示です。

あの「税別価格」っていうのは、小学生の気持ちを全く考えていない悪法だと思うのです・・。

小学校1年生の子が100円持って買い物に行き、100円の商品を買ったら、店員に「それじゃ買えないよ!」と言われているの目の前で見た時にはなんとも言えない気持ちになりました。

それでは今日はこの辺で。また明日!

【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】

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この記事を書いた人

瀬下淳志のアバター 瀬下淳志 KOSHIN学院塾長

神奈川県平塚市田村にある高校受験専門の集団個別指導の学習塾です。お勉強が苦手でもお断りしませんが『やる気』は大いに気にしています。