ちょっと生徒を指導したことがある人なら、生徒に文章を読ませればすぐに「生徒の学力」が分かると言っても過言ではありません。
勉強出来る子は、ほぼ例外なく「文章を一字一句間違えずに」しかも「感情を込めて」読むことができます。
だから「ちょっと」勉強を教えただけで、その子の実力がある程度把握できてしまうのです。
※これを読んだお母さんは、背筋がぞっとしたかもしれませんね
勉強が苦手な子は音読もメチャクチャ!
もしかしたら「音読」(声を出して読む)のは「国語の時だけ」大切だと思っていませんか?
ではまずこの写真をごらんください。
これは「小学校3年生の算数」の問題です。
※私の字が下手なのがバレます(>_<)・・取り急ぎのメモなので
オレンジ色の○がついている漢字が、生徒が読めなかった漢字です。
例えば①の「朝食」ですが、生徒は「あさごはん」と読みました。
そこで漢字辞典の使い方を教えて、自分で「読み方」をしらべてもらいました。
最初は全く漢字辞典の使い方が分かってませんでしたが、ちょっと教えてあげたら自分で調べることができるようになりました。
そうですね! 答えは「ちょうしょく」です。
調べた読み方をワークに書いておくように指示し、もう一度①の問題を読ませてみました。
ところがギッチョンチョン。
ここで問題が・・・①の文章を・・
- 「みさきさん」を「みきさん」と読んでしまう。
- 「時こく」を「じかん」と読んでしまう。
- 「起きた時こくは7時」を「起きた時こくは7時です」と書いてないことを勝手に発音してしまう。
- せっかく調べた「朝食」をいつの間にか「ちゅうしょく」と読んでる。
- 「何時何分後」の「後」を抜いてしまう。反対もあり。
全てがこの調子です。
ですから、これらの問題を全然解けずに「勉強しているふり」をしてごまかしていました。
別に私は驚きませんけどね。こういう生徒は何百人も見てきましたから。
しかーし!
このまま放って置いたらと思うとぞっとします!
え? 「それは小学3年生だからでしょ?」ですって?
いやいやいやいや・・・ところがギッチョンチョン
「こんな感じの中学生」も結構いるんですよ!
正直なところ「中3生」でこの状態だと、「全日制普通科高校」はあきらめてくださいと言わないといけなくなります。
※定員割れしていると合格できてしまうんですけど・・
さてこの生徒ですが、その後は・・
ここまでの文章だけ読むと、かなり問題のある生徒のようですが、私は「この生徒」が大好きでして。
それは「小学校3年生」なのに、絶対に塾を休まないで来るからなのです。
勉強がちょっとでも分からないと、すぐに泣いちゃうし、分からないと上を向いてボーッとしちゃうんですけどね。
それでも「叱られると」我に返って、涙こぼしながらでもまた一生懸命頑張るんです。
頑張らないなら、私も「知~らない!」って言っちゃうけど、こんなに一生懸命頑張る子を見捨てるなんて私にはできません。
前置きが長くなりました。(ごめんなさい)
私はこの子を私の前に座らせて「何度も音読」してもらいました。
読めない漢字は漢字辞典で調べて、それをノートに書き出させて。
そして「つっかえずにスラスラ読めるようになるまで」何度も繰り返し読んでもらいました。
何回も繰り返して読んだだけで、①~⑥番の問題は解けちゃったんです!
つまりこの子は決して頭が悪いわけじゃなくて、「勉強の仕方」がまるでなってなかっただけなのです。
その状況をそばで見ていた中学生数名が、その生徒が問題を解けたのを見てすごく驚いてました。
中学生達は「何回も繰り返し問題を読むことが、いかに大切か分かった」と言ってました。
その後中学生達も、問題の意味が分からない時は、何度も繰り返して読むようになりました。
※めでたしめでたし
少し長い文章になりましたが、それだけ「声を出して読む」ことが大切だということをお伝えしたかったのです。
もしこのブログを読んでくださってるのが、小学生のお子さんを持つお母様でしたら、ぜひあなたのお子さんに「音読」をさせてみてください。
最初は「短い文章」で構いません。今日掲載した写真の問題程度の短い文で構いませんから、「正確にスラスラ」読めるようになるまで、練習させてあげてください!
そしてスラスラ読めるようになったら、
- 「朝食」ってナニ?
- 「登校」「下校」ってナニ?
と質問してあげて、今度は「国語辞典」で意味を調べさせてください。
よくお母様方から、「うちの子は文章題になると手が止まるんです」という相談を受けることがあります。
そんな時は「問題の解き方を教えるのではなく」て、
まず「正しく読めてるか」チェックしてください。そして何度も読ませてあげてください。
そうです!
読めもしない問題を解けるわけがないんです!
全部文章を間違えて、しかも「意味も分からず」テキトーに読んでる生徒、意外と多いですよ!
それでは今日はこの辺で。また明日!