まず「ここ」を求めてから、「そこ」を求める・・【学習塾】

先日お会いした塾の先生が、結局最後は「国語力」なんですよねとおっしゃってました。

本当にその通りだと思います。

次の問題を見てください。

【例題】
ヒロシ君は、家を出て30分後の8時55分に学校に到着しました。その後3時5分に学校を出て、行きよりも10分多く時間をかけて帰宅しました。ヒロシ君が家を出てから帰宅するまで何時間何分かかりましたか。

これは「小学校3年生の問題」です。

成績が中位以下の子だと、まず解けなくてボーッとしちゃうんです。

この問題を求めるには

  1. まず家を出た時間を求める。
  2. 次に帰宅した時間を求める。
  3. 帰宅した時間から、家を出た時間を引く。

という3段階の作業をしなければなりません。

ところがギッチョンチョン

勉強が苦手な子のノートを見てみると

3時5分-8時55分= 11時間5分
※個人差があります。

と、全く「論理的」ではないことを書いています。

ただ目に入った数字を並べてるだけ!

この程度の思考回路しか持たない生徒は、すごく多いです。

なんででしょうか?

答えは簡単です。こうした訓練をしてないからです。

 

先ほどの例題で

先生:「ではヒロシ君は何時何分に家を出ましたか?」

生徒何も考えずに「9時5分です」

この「何も考えずに」が大きな問題なんです。

問題を読んでいない。読んだとしても文章が理解できていない。

だから短絡的な解答しかできないんです。

ではどうしたら良いか。

私は、「まず自分で」考える作業をしてもらいます。
※もちろん最終的にはちゃんと教えるのですが、その前に「自分で考える習慣」を身につけてもらいます。

しかーし!

上記の問題ともなると、かなりできる子でないとやはりできないものはできないんです。そこで問題を分解してあげます。

①ヒロシ君は、家を出て30分後の8時55分に学校に到着しま  した。

では、ヒロシ君が家を出たのは何時何分ですか?

ここまで分解すると、ぐっと正答率があがります。

答えは8時25分ですね。これをちゃんとノートに書いて計算してもらいます。

②その後3時5分に学校を出て、行きよりも10分多く時間をかけて帰宅しました。

  1. そもそも行きは何分かかったっけ?
  2. それより10分多くかかったから何分かかった?

まずこれを「自分で計算」してもらいます。この時に「答え」を教えては絶対にいけません。あくまで自分で計算させます。

できない子は「答えも」教わろうとしますから気をつけてください。

3.だから帰宅した時間は何時何分?

と、できればタイムラインの図を作って、自分で数字を書き込んでもらいます。

家を出た:□時○分

30分かけて学校に着く

学校到着:8時55分

学校にいる

学校を出る:3時5分

行きより10分多く時間がかかる

ということは何分かかったか?
    ↓
家に着いた時間:△時▽分

※□・○・△・▽に数字を書き込ませます。

ここで図や表に表しながら、自分でできることはできるだけ自分でやってもらいます。

ここからは計算力が問われます

上記の問題ですが、

  • 家を出た時間:8時25分
  • 家に帰ってきた時間:3時45分

そうすると家を出てから帰ってくるまで何時間何分かかるか?

ここで大概の生徒は

3時45分
-8時25分
—————————–

と計算し始めます。そして答えは11時20分になっちゃうの。

3から8が引けないから足しちゃうという短絡的なことを始めるの。

ここでも「問題の意味が分かってない」ことが露呈してしまいます。

ここでさらに「午後3時は15時である」ことを説明しなければなりません。

ちなみに、すでに「午後3時=15時」であることは学習済みなのですが、このややこしい問題を解いている最中にそんなことはスッカリ忘れちゃうんです。

こうした訓練を受けてこなかった子が中学生になったら

こうした訓練を受けてこなかった子が、そのまま中学生になり、そして「高校入試」だと言っても、もはやどうにもなりません。

その程度の学力の子が中学校に行っても、授業は全くと言って良いほど理解できません。

そうなると、その子にとって学校は、「まったくちんぷんかんぷんなことを我慢して聞いてるだけ」の大変つらい場所になってしまいます。

実はそういう生徒は少なくありません。そうならないように「小学校低学年」といえど、しっかりと「教科書レベル」のことはできるようにしておいてください。

大学入試制度が変わる!

センター試験は2019年度(2020年1月)の実施を最後に廃止され、これに代わり2020年度からスタートするのが「大学入学共通テスト」です。

これまでのセンター試験と同様、1月中旬の2日間で実施されます。今の中学3年生(2017年4月時点)から、この「共通テスト」(2021年1月実施)を受検することになります。

この共通テストでは、今まで以上に「論理的思考能力」を問う問題が増えると発表されています。

となると、先ほどの生徒ほどではないまでも、「こうした論理的思考」がすごく大切になってきます。

大学入試が変われば、必然的に高校入試も変わってきます。

まだ「小学生のうちは塾は良いかな?」と思ってるお父さん、お母さん!

ちょっと考え直してみて欲しいです。

それでは今日はこの辺で。また明日!

【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】

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この記事を書いた人

瀬下淳志のアバター 瀬下淳志 KOSHIN学院塾長

神奈川県平塚市田村にある高校受験専門の集団個別指導の学習塾です。お勉強が苦手でもお断りしませんが『やる気』は大いに気にしています。