もう何十年も前の話です。(また昔話かよ・・)
とある生徒のお父さんから、「先生! たまには一杯付き合ってくれませんか?」と持ちかけられました。
「私はお酒は全くダメなんです」と、お伝えしましたが、別にお茶でもジュースでも良いからとおっしゃっていただいたので、二人で飲みに行きました。
そのお父さんの口から飛び出した言葉は概ね次のような感じです。
先生さ! 「幸せに」なろうと思って今の女房と結婚して、可愛い子どもも授かって一時は幸せだと思ってたんだけどさ。
次第に女房とは意見がすれ違うようになってさ、最近ではろくな会話もなくて。
娘は可愛いと思って、自分の小遣いも我慢して一生懸命塾の月謝も稼いできてさ・・・。
それでも娘もあまり口を利いてくれなくて、挙げ句の果てには俺のこと厄介者扱いなんだよね。
別に先生に文句があるわけじゃないんだけど、俺の人生なんだったんだろうと思うんですよ。
俺はなんのために生まれてきたんだろう。さすがに疲れましたよ。
今でもその会話が忘れられません。
私も何度も人間を信じないようにしようと思った。
そのお父さんは、「もう何も信じられないよ。」とおっしゃってました。
実は私も「もう誰も信じるのやめよう!」と思ったことが何度もありました。
私は
- 「頭が悪い」(小ずるいことができないの意で)し、
- 「人を見る目がない」(すぐに人を信じちゃうという意)。
のです。
だからすぐに人を信じては裏切られることがあるんです。
そんな時にたまたま「ジャイアント馬場」さんの言葉に出会いました。
人をだますくらいなら、だまされる方が良い!
別にジャイアント馬場さんにお会いしたわけではありませんが、まだ若かった私の心にグサリと刺さりました。
そして、この言葉を「先ほどのお父様」にお伝えしたんですけどね・・・
お父さんも、私も居酒屋の中なんですけど、ボロボロ涙がこぼれてきちゃって・・・
それ以来
だますくらいなら、だまされる方がマシだというのは、座右の銘のひとつになりました。
残念ながら、私はその塾を退社してしまったので、そのお父様とその後連絡をとったことはありませんが・・お元気でしょうか。
塾という仕事をしていてつくづく思うこと!
私も、塾という仕事にバイトの頃から通算すると40年になりました。KOSHIN学院を作ってからは24年になります。
その間、実の多くの生徒さんと接してきました。そして生徒さんの向こう側にいる保護者の皆さんとも接してきました。
もうね、本当にいろいろな出来事があり過ぎて、とても語り尽くせないんですけどね。
その多くの方を見てきて、
子どもを1人育てるというのは、なんと大変なことなのだろう!
と痛感するのです。
親は一生懸命頑張って、可愛い子どもを育てるわけですが・・
- 大きな怪我をしてきたり
- 大きな病気をしてみたり
- 反抗期になって、反対に怒鳴られたり
- 警察のご厄介になってみたり
- 学校に呼び出しをくらったり
- 成績が悪かったり
もう「これでもか!」というくらい試練の連続なんですよね。
昔の人は「親の心子知らず」なんて言いましたしね。
それでも「お母さん」「お父さん」達は、歯を食いしばりながら懸命に子どものために尽すんです。
いくら「親」だって、愚痴の一つもこぼしたくなりますよね。
いったい私に何ができるんだろう?
多くの悩みに直面してきた私ですが、それでも「私の理解を超える」できごとが次から次へと起こります。
- 生徒の悩み
- 母親の悩み
- 父親の悩み
- 家族の悩み
みんなまとめて解決してあげられたら良いのですが、私にしてあげられるのは「勉強の仕方を教えてあげる」ことくらいです。
あまりにも無力な自分が情けなくなることもあります。
しかーし!
はっきり言っちゃおうかな!
これらを全て真剣に考えたら、間違いなく私の精神がおかしくなってしまうでしょう。
だから、私の中で「大きな決めごと」をしています。
塾を辞めたら知らない!
※ちゃんと卒業した場合は除く
実は本当は「知ってる」んですけどね、でも「知らない!」と自分に言い聞かせないと、もうやっていけないんですよ。
「辞めたら知らない」と言い切らないと、間違いなく私の精神はボロボロになっちゃいます。
冷たいようだけど、そう決めています。
しかーし!
辞めないで頑張って通ってきているならば、私は絶対に見捨てません!
ここまで書くと「子育て」って、ツラくて大変なことのようですが・・・
子どもって幸せをくれるんですよね!
だから、もしかしたら「子どものことで苦労できる」って「幸せ」なことなのかもしれませんね。
それでは今日はこの辺で。 また明日!