かつて他の科目はそこそこできるけど「英語」となるとどうにもならない生徒がいました。
当時私はまだKOSHIN学院を作る前で別の塾に勤めていました。そこでは「一斉授業」(学校のような授業スタイル)で英語を指導していました。
教科書を一文ずつ順番に読んでもらうと、どうしても彼のところで止まってしまいました。
彼の指導には随分悩みました。
- 彼には当てない方が良いのか?
- 出来る問題だけ答えさせるようにすれば良いのか?
- 無視して授業を進めて、彼だけあとで個別に指導するか?
先輩や上司に相談してみましたが、「的を射た答え」はついにいただけませんでした。
結局このことに対する明確な答えは分からないままKOSHIN学院を作ってしまいました。
なぜ英語だけ極端にできないのでしょうか?
実は「今」では、そこまで極端に英語が苦手な子っていないのです。
※中学生になる前から私が指導した場合です。
でもKOSHIN学院を作った当初は「一斉授業」をしていたので、前塾に勤めていた頃と同様な問題が起きてしまいました。
そこでなぜ英語ができないのか色々探った結果
- そもそも単語の意味を「自分で調べて」いない。
- 意味は調べても読み方は調べてない。
- 分からない単語だらけなのに無理矢理訳そうとしている。
- He watches some movies on Saturdayを疑問文にしなさいと言われても、そもそも「英文の意味」が分かってないまま疑問文にしようとして挫折する。
- 一番多いのは「圧倒的に覚えている単語が少なすぎる」こと。
こういうケースが多かったのでした。
しかーし!
私の力量だと「一斉授業」では彼らを救ってあげることができませんでした。
このようにいろいろな原因はあるのですが、一番の過ち(あやまち)は・・・
説明してあげれば分かるようになるはずだ!
という私の思い込みでした。
だから「もっと分かりやすく! もっともっと分かりやすく!」と説明の仕方をいろいろ工夫したんですけどね・・。
どうもそれが良くないということに気がつきました。
例えるなら「まだ耕してもいない畑に肥料をバラ撒いて、水をガンガンかけちゃった」感じなんですよね。
英語というものを勉強する土壌ができてなかった
そりゃそうですよね。英語って何をどう勉強すれば良いのかも分かってない子達に、いきなり・・
「三単現のSの疑問文はDoes始まって動詞は原形に戻す。」
なんて話をしたって分かるわけありませんよね。
英語を勉強するには
- まず分からない単語の意味を「自分で」しらべて、ノートに書く。
- その時に読み方が分からなかったら最初はカタカナでも良いからノートにメモる。
- 新しい単元に入るときは、この単元では何を習うのか理解する。
- 自分のチカラで教科書の本文を訳してみて、先生にチェックしてもらう。
- 本文訳ができたらCDなどを使ってネイティブの発音で本文や単語を何度も聞いて、自分でも発音できるように練習する。
- その単元で出てきた新しい単語や、まだ覚えていなかった単語を覚える。
- 日本語訳をだけを見て英文で書けるようになるように練習して覚える。
- ここまでやってから初めて問題集に挑戦する。
ここまで聞いて「面倒くさそうだなぁ~・・」と思った方もいるかもしれませんが、
上記の1番~7番までは「畑の土壌を作る作業」と同じなのです。
こうして教科書の内容を理解して覚えるという作業は「授業を聞いただけ」では身につかないのです。
1番~7番までの作業ができているか確認するために8番で問題を解くのです。
面倒くさそうに思われるかもしれませんが、このことを確実にやってルーティンにしてしまえば、そんなに大変なことではありません。
※要するに慣れるということです。
できるようになってくると、本文を訳したり覚えたりするのもドンドン早く出来るようになります。そうなってくればシメたものです!
単語が何も分からない、読み方も分からない、なのにいきなり疑問文や否定文にすることを強要されても、生徒だってできませんよね。
それでは今日はこの辺で。 また明日!