学習塾の先生になって三十五年くらい経ちますが、毎年すごく緊張するのが「合格発表」の前です。一生懸命頑張ってた中3生を目の当たりにしていますし、「自分の子」だと思って接してきたので本当に緊張します。
しかーし!
何度か「まさか!?」という場面を経験したことがあるので・・・。入試は「何が起こるか分からない得体の知れない怖さ」があるので、塾長としては最後の最後まで気持ちを緩めることができません。
この仕事の宿命です。
合格の影で泣いている人を忘れてはいけない!
結果は今日の午前10時には発表になります。かつてのように掲示板に合格者の番号が貼り出されることはありません。ひとりずつ封筒を手渡しで受け取ります。
私の頃は「掲示板」に番号と名前が発表されていたように思うんですけど、記憶が定かではありません。ただ「合格」の2文字を見た瞬間3メートルはジャンプしていたような気がします。
※気持ちはですけどねw・・オリンピックで優勝できちゃいますよね(笑)
「私の頃」の場合万が一不合格だった生徒は、朝中学校で職員室に呼ばれ「今日は見に行かなくて良い!」と告げられたのだということを後で知りました。
その後私が「塾の先生」になった頃には、そういう知らせはなく、「全員」発表を見に行くように変わっていました。
どっちが良いのでしょうね?
生徒達には「なかには残念な結果に終わった人がいることを忘れないように!」と伝えました。合格して嬉しい気持ちは分かるけど、その影で泣いている人がいるということを忘れて欲しくありません。
なかには「塾の先生」なのに、そんなことを忘れてはしゃぎ回る人もいるんですけどね・・
一生懸命頑張った結果である生徒の気持ちを考えて発言して欲しいものです。
KOSHIN学院だって、そりゃ「全員合格」に超したことはありません。
※「超す」と「越す」の違い
しかーし!
一昨年は「塾長! 私どうしても勝負してみたいんです!」と言ってきた子がいました。
正直なところ「かなり厳しい状況」ではありました。
しかーし!
「生徒本人」も「保護者の方」も、「どうしても勝負してみたい!」と譲りません。それを止める権利は私にはありません。結局その生徒はあと少し点数が届きませんでした。
その生徒の志望校を下げさせれば「全員合格」って言えたのですが、それで「全員合格」を謳ったところで悔いが残るだけです。
残念な結果ではありましたが、その生徒の表情は晴れ渡っていました。それどころか今でも時々「授業のお手伝い」に来てくれるほどです。
ただ「そういう生徒」がいるとこいうことを忘れて馬鹿みたいにはしゃぎ回るのはいけません。「特に塾の先生」はそんなことをしてはいけません。
一番嬉しくて一番寂しい日
KOSHIN学院は「高校受験専門学習塾」です。高校合格を目指して頑張る学習塾です。
ということは!
合格が決まった瞬間お別れ「卒業」でもあります。
1年に一度「世紀の大失恋」をする日です。まるで娘を嫁に出す父親のような心境とでも言いましょうか・・・。何年この仕事をしていても憂鬱です。
毎年この時を迎えるたびに、本気で塾の仕事を辞めたくなります。
しかーし!
また新しい生徒達が来てくれるおかげで、KOSHIN学院を作って24年間頑張ってくることができています。まさに出会いと別れ・別れと出会いです。
中3生がいなくなって寂しいなんて泣いていられません。今年も少しずつ「新しい生徒」が入ってきてくれています。
「今居てくれる生徒達」「これから来てくれるであろう生徒達」のために、まだまだKOSHIN学院をやめるわけにはいきません。
さて! あと数時間後には結果発表です。15の春が「うれし泣き」になることを願っています。
それでは今日はこの辺で! また明日!
【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】