時々「うちの子基本的な問題は解けるんですけど、応用問題になると解けないんです。」とおっしゃって入塾を希望してくださるお母様がいらっしゃいます。でも実際に教えてみると、ほとんどその言葉は間違っています。
- 計算ミスは「ミス」じゃない。
- 応用問題は「応用」なんかじゃない。
- ではどうすれば「応用」ができるようになるか。
計算ミスは「ミス」じゃない!
「うちの子そそっかしいらしく、計算ミスが多いんです」というお母様がいらっしゃいます。また生徒でも「分かってたんだけど、計算ミスをいっぱいしてしまった」と言ってくる子もいます。
しかーし!
実際に教えてみると「ミス」なんかじゃないケースがほとんどです。ではなんでしょうか?
これが圧倒的に多いのです。「いい加減に自己流でテキトー」にやってるから解けないだけなのです。
例えば中1の一学期の最初に「正負の数」の計算が出てきます。
例題(1)
(+3)+(+5) = +(3+5) =+8
(-3)+(-5)= ー(3+5) =-8
同符号の和の場合は「絶対値の和に共通の符号」を付ける。
例題(2)
(-3)+(+5)= + (5-3)= +2
(+3)+(-5)= ー(5-3)= -2
異符号の和の場合は「絶対値の差に絶対値が大きい方の符号」をつける。
というように教科書にも載っています。でもこれ「つい最近まで小学生だった子」にはとても分かりにくい説明です。
こういう「数直線」を使って考えられるようになるまで、何度も繰り返し練習する習慣をつけてあげたいものです。「負の数」(マイナスの数)をイメージできない子に「絶対値の和」とか言っても新中学1年生だと理解できない子達が出てきてしまいます。
「正負の数の説明が上手にできていない教師」に教わると、「いきなり最初から数学がつまずいてしまう」ことになります。
そして「しっかり正しく理解できないまま」次の単元に授業が進んでしまうという悲劇が起こります。この後中学3年間で習う「全ての問題」で「負の数」が出てきます。
たかが「+」と「-」を間違えただけだと考えるのは大変な間違いです!
「+」と「-」のことがちゃんと分かってないから、計算を間違えるのです!
ミスなんかじゃないの! 「分かってないから間違える」のです。
応用問題は応用なんかじゃない
「応用問題」と簡単に言いますが、「教科書に載ってる問題」は「応用問題」とは言いません。「基本問題」と言うべきです。入試問題くらいになると「応用問題」といえるレベルの問題もありますが、教科書に載ってる問題は応用なんかじゃありません。
応用ではなく「図形やグラフ」などを使った「基本問題」というのが正しいです。
ですから「うちの子応用問題ができません」ではなくて、「図形やグラフの基本ができていません」というべきです。
しかーし!
「図やグラフ」でつまずくような生徒の場合、図やグラフは理解できても、例えば「面積を求める計算」「グラフの式を求める計算」でつまずいてしまうことが多いです。
数学が苦手といって塾に来る生徒の多くは
- 正負の数の計算があやしい。
- 分数小数なんかもっとあやしい。
ことがほとんどです。
この辺を理解しなおせるように指導すると、わりと簡単に数学の点数があがってくることが多いです。
ではどうすれば「応用」ができるようになるか?
ここまでで述べた通り「教科書に載ってる問題レベル」は「応用ではなく基本」です。
※小学校・中学校・高校ともにこのことが言えます。
ですからまず「教科書に載ってる問題」をしっかり正しく解けるようになることです。私が以前勤めていた塾では「教科書に載ってる問題だけ」をしっかり教えただけでも成績がどんどんあがっていました。
あと「練習量が足りない」という言葉がよく使われます。
しかーし!
「基本的なことができるようにならないうち」に大量の問題を解かせるのは「害悪」でしかありません。とりあえずやらないと叱られるからテキトーにやっておこうなんていう生徒が大量にでてきてしまいます。
基本的なことができてから「ドリル問題」などを繰り返し練習し、「スピードや正確さ」を身につけて欲しいです。
数学が得意な生徒は、中学生になる前から「こうした学習方法」を身につけていることがほとんどです。
※なかには天才的にたいして頑張らなくても解けちゃう子もいますけど。それは例外と思ってください。
最後にもう一度繰り返します!
- 教科書に載ってる問題は応用なんかじゃありません!
- 教科書に載ってる問題が全てできれば数学は95点以上取れます!
それでは今日はこの辺で! また明日!