これも私の若かりし頃の「苦い経験」のひとつです。小学生の時から「KOSHIN学院」に通ってきてくれていた「百合子ちゃん」(仮称)という子がいました。
百合子ちゃんは、いわゆる「ぽっちゃり体型」の子で、かけっこなども苦手にしていました。特に「運動」は全般的に苦手で、外で遊ぶのもあまり好きではなく暇さえあえれば「絵を描いている」子でした。
- 母親が運動部に入ることを強要した
- 百合子はいつも疲れ果てている状態に
- ついに勉強もしなくなり塾を辞めた
- 最終的に部活も学校も行かなくなり
1:母親が運動部に入ることを強要した
百合子さんは小学生の頃からKOSHIN学院に通ってくれていましたが、あまり走ったりするのは好きではない子でした。ちょっと可哀想な言い方なのですが「だんだん体重も増加」してきて、よけい身体を動かすのがイヤになっていました。
百合子の母親は「体重のこと」を大変心配して、百合子に中学生になったら「運動部に入りなさい!」と言い続けていました。私がうっかり口を挟もうものなら露骨に嫌な顔をしてきました。
※当時は私も若かったので、お母さんを「バシッ!」と叱ることもできませんでした。今だったら本気で叱っちゃうけど(>o<)
更に悪いことに百合子には二歳年上の兄がおり、そのお兄さんは運動神経がよく陸上部の選手でした。
そこで母親は百合子も「陸上部」に入れることにしました。
ただでさえ「走るのが苦手」な百合子が真夏の炎天下に毎日強制的に走らされるのです。
2:百合子はいつも疲れ果てている状態に
中学校生活が始まり、それでなくても「新中学1年生」は環境の激変に対応するだけでもかなり大変な生徒もいます。
しかーし!
百合子は「母親に逆らう」ことができませんでした。でも「真面目な生徒」でしたので、なんとか部活には参加するのですが・・・
その後塾に来るときには「完全に疲れ果てて」いて、授業を聞くどころの騒ぎではありませんでした。それでも最初の頃はなんとか頑張って塾に来ていたのですが・・・
次第に塾を休むことが増えてきて・・そんな状態ですから勉強もろくに手に付かず
3:ついに勉強もしなくなり塾を辞めた
小学生の頃は絵が上手で楽しそうに絵を描いていた百合子ですが、部活で疲れ果ててしまい「絵を描く元気」もなくなってしまいました。
とはいえ「家庭内のこと」ですので、「ただの塾の先生」だった私にはどうすることもできませんでした。
※今の私だったら「中学に入る前」に母親と「こんな危険性」もあることを話しておきますが。
やがてとうとう塾にも来なくなってしまいました・・・(退塾1名)
しかーし!
事態はそれで終わりませんでした。
4:最終的に部活もやめ学校にも行かなくなり
それから半年くらいした頃に、某ショッピングセンターでばったり百合子の母親に会いました。百合子の母親の母親は「やつれ果てた表情」をしていました。
「お母さん、どうかなさいましたか?」
と尋ねました。すると
「先生! 今更で申し訳ないのですが相談に乗っていただけますか?」
と返ってきました。
いろいろ話を伺うと「塾を辞めた」あと少ししてから「部活にも全く行かなくなり」、ついには学校にも行かれなくなり自宅に引きこもったままの状態なのだとか。
「現在」では「不登校」はある程度認知されて、地方公共団体などでも「対策」をいろいろ取ってくれていますが、当時不登校は「ワガママ病」と言われており対策の研究もまだ進んでいませんでした。
百合子には申し訳ないけど、当時の私は何もすることができませんでした。
だから私は不登校の専門家ではないけど、いろいろ勉強しています!
「学習塾経営者」がこんなことを言ってはいけないのかもしれませんが・・
最悪の場合は
- 運動なんか苦手だって良いじゃない!
- 勉強なんかできなくたって良いじゃない!
- 学校なんか行かなくたって良いじゃない!
って思うのです。
高校進学よりも「子どもが生きていてくれる」ことの方がどれほど大切なことか。
- 勉強は「できないよりはできた方が良い」もの。
- 運動も「できないよりはできた方が良い」もの。
それ以上でもそれ以下でもありません。
しかーし!
これ以上大切なものはありません。
ちなみに百合子さんは今元気に暮らしてくれているそうです。
部活自体は良いことだと思います。みんなで味わう「高揚感」「達成感」などもありますから。
ただ「部活の選び方を間違えると、百合子さんと百合子さんの母親の二の舞」になってしまう可能性があります。
お子さんの体力などにあった身体の鍛え方をさせてあげてください!
それでは今日はこの辺で! また明日!
【KOSHIN学院は神奈川県平塚市田村にある、一生懸命頑張る生徒をトコトン応援する高校受験専門の学習塾です!】