神奈川県公立高校入試まで「あと85日」なんていう時期になってくると、学習塾経営者は「もう一つのお祭り騒ぎ」を始めます。
それはズバリ
中学準備講座!
です。
経営者の立場からすれば、単純に中3生が卒業するわけですから、その分『新中1生』を募集しなければ来年度の経営が成り立たなくなります。
だからほとんどの塾が『中学の先取り学習』を始めます。すると・・・
保護者の方々は『塾の広告』に踊らされて、『今から中学の勉強をさせておかなければいけないんじゃないか?』という強迫観念にかられちゃうんです。
しかーし! ところがギッチョンチョン! それはとんでもない誤りです!
ほとんどの塾では『中学準備』と称して、中学で一番最初に習う『計算問題』(正の数・負の数)の指導を行います。
ここがポイント!
やるのは計算問題だけなんだよね!
もちろん計算問題も怪しい生徒はたくさんいます。でもそういう生徒は小学校で習う『分数・小数』の計算ができてないのです。
長年塾の先生をしてきた経験からすると、中学で習う
【正の数負の数の加法】
(+5)+(-3)
=+(5-3)
=+2
という問題よりも(もちろんこれはこれで大切ではあるけれど)
【通分・約分を含む計算】
$$\frac{1}{2} + \frac{1}{3}= \frac{3}{6}+ \frac{2}{6}$$
$$=\frac{5}{6}$$
という計算をしっかりできるようにする事の方が先です。
はっきり言っちゃおうかな!
小学校で習う計算が出来ない子が、なんで中学の計算ができるの?
って思いませんか?
しかーし!
それだけが根拠ではありません。
数学が本格的に難しくなるのは、『関数』や『図形』(特に証明問題)が出てきてからです。
ですから小学生の時に『進級式の計算問題をやらせる塾』で「そこそこできていた」という程度では、中学では全くと言えるほど通用しなくなります。
そして!
分からない→つまらない→面倒くさい→やらない→ますますできなくなる
という負のスパイラルに陥るのです。
先ほどの『関数』や『図形の問題』などの基本は『小学校で習う問題』に網羅されています。
ということは!
数学に関しては『本当の意味での中学準備とは、小学校で習うことを確実にできるようにしておくこと』なのです。
しかーし!
『英語』に関しては『先取りするメリット』は大いにあります。
小学英語と中学英語の一番の違いは『単語を正しく書けるようにすること』と『文法問題』です。
今から少しずつ慣らしておくことは大切です。
これだけは絶対に言っておきたい!
中学生になると「全ての生活が激変」します。
- かなり厳しい練習をする部活
- かなり難しい中間・期末試験
- かなり忙しい学校行事
その生活の変化に順応しきれない生徒がかなりいます。『大手塾の脅し文句』に乗せられて、順応しきれない生徒がその塾に通ってしまったら・・・。
それでは今日はこの辺で! また明日♪